ルクセンブルクSCM4.0研修視察ツアー(6月24日-30日) 参加者募集開始

ルクセンブルク貿易投資事務所が初めて企画協力した、ルクセンブルク国立大学のSCM4.0特別講義や欧米企業・関連施設を訪問する研修視察ツアー

ルクセンブルク貿易投資事務所は、日本のメーカーや物流サービスプロバイダーのマネジメント、戦略立案者、幹部候補生を対象に、ルクセンブルクSCM4.0研修視察ツアー(2019年6月24日―30日)の実施に協力します。ツアーの企画・実施は株式会社JTBが行う。

ルクセンブルク貿易投資事務所と株式会社JTBが、ツアーに関する説明会を2019年2月19日(火)17時から在東京ルクセンブルク大使館(東京都千代田区)で行う。ツアー説明会にはゲストスピーカーとして、SCMやロジスティクスのデジタル化を積極的に推進されている、株式会社ダイワロジテック代表取締役社長CEO 秋葉淳一氏をお招きし、SCM4.0をテーマに企業が認識すべき課題や着眼点等も語っていただく。

尚、ツアー参加者向けの事前勉強会(6月3日週予定)には、ルクセンブルク大学ルクセンブルク・センター・フォー・ロジスティクス&サプライチェーンマネジメント(LCL)センター長 ベニー・マンティン教授とホアキム・アーツ准教授が来日参加を予定。

 

AIやロボティクスなど革新的なデジタル技術の進展がもたらす、新たなサービスの誕生と競争環境の激変、労働力不足やSDGsに基づく環境対策、国際政治や自然災害の不確実性―今、メーカーや物流サービスプロバイダーは、デジタル時代に対応したビジネスモデル・ビジネス戦略の再構築への取り組みを求められています。

インダストリー4.0が実現する世界―自動化、バーチャル化がもたらす圧倒的に効率的なオペレーションは、サプライチェーンマネジメント(以下SCM)にも大きな利益をもたらします。SCMもインダストリー4.0を受容し、進化していかなければなりません。それがSCM4.0です。SCMやロジスティクスは、調達から販売に至るオペレーション全体に通底し、企業のバランスシートにも大きな影響を及ぼすにも関わらず、多くのメーカーや物流サービスプロバイダーが、デジタル時代に相応しいSCM4.0の全体像を明確に描けていないのが実状と言えるのではないでしょうか。各企業のマネジメントやビジネス戦略企画者は、今ある技術を俯瞰し、これから開発されうるテクノロジーの取捨選択を行い、その延長線上にどのような未来を描くのか。ルクセンブルク貿易投資事務所では、日本のメーカーや物流サービスプロバイダーのマネジメント、戦略立案者、幹部候補生を対象に、欧州のSCM4.0の「現在」を俯瞰し、「未来」について考えていただく機会を提供すべく、ルクセンブルク国立大学で学ぶ特別な研修視察を企画しました。ツアーお申込みから実施に至るスケジュールは下記を予定しています。

2019年2月4日 (月):  ツアーお申込み受付開始 (申込先:株式会社JTB)
2019年2月19日(火):  ツアー説明会@ルクセンブルク大使館
2019年3月25日(月):  お申込締め切り
2019年6月3日(月)週:  事前勉強会 @ルクセンブルク大使館
2019年6月24日(月)~6月30日(日):  ルクセンブルク訪問
2019年7月末:  事後報告会@ルクセンブルク大使館

SCMの世界の潮流に触れて、学べる、特別なツアーです。皆様からのお申込みを心からお待ちしています。

 

 

ルクセンブルクでSCM4.0を学ぶ意義

ツアープログラムの一番の魅力は、マサチューセッツ工科大学(MIT)の協力を得て2015年に設立された、ルクセンブルク大学センター・フォー・ロジスティクス&サプライチェーンマネジメント(以下LCL)でのエグゼクティブ向け特別講義です。LCLは、MITのサプライチェーン&ロジスティクス・エクセレンス(SCALE)ネットワークに加盟。SCMとロジスティクスの最先端の研究、イノベーション促進、人材教育のための主要ハブとして機能し、次世代のSCMを学ぶための修士号や博士号課程があります。一流の研究者、国内外の企業や機関がパートナーとして名を連ね、カンファレンスや、企業のエグゼクティブ向けワークショップなども様々なテーマで開催しています。

そのLCLで、2018年にSCM4.0をテーマにした、エグゼクティブ向けワークショップが2日間行われました。SCMのデジタル化や技術革新がもたらす新たなオペレーションモデル、必要とされる財務分析、ハード・ソフトの革新的技術を網羅的に学ぶ機会が提供されました。今回、日本からの参加者様だけのために、その時のワークショップを半日にまとめて、ルクセンブルク大学LCLで特別に開催します。また特別講義翌日に予定されている、修士課程クラスの共同研究発表会『LCL Research Fest』に参加し、最新の研究成果を聞くと同時に、共同研究に関わるスポンサー企業や学生とのネットワーク機会も提供します。

またプログラムではその他にも、ルクセンブルクに拠点を持つ大手メーカーや関連企業・スタートアップなどを訪問し、SCM4.0や主要物流施設視察も予定しています。日本企業が持続的な発展を遂げるため、次世代のSCMについて、一度立ち止まり、課題を共有し、新たなビジネスを創発するための研修機会にしていただければと考えています。

ルクセンブルク大学LCLセンター長ベニー・マンティン教授からのメッセージ

世界は急速に変化しています。かつてない規模で、新しい技術発展やイノベーションの波が押し寄せ、私達は今まさしく産業全体が変革していく時代の最中にいます。高性能センサーの普及とビッグデータ、高度な分析システムが大きな改善効果をもたらします。サイバー空間と実世界の融合がもたらす、インダストリー4.0と一般的に呼ばれている、第四次産業革命を目撃しているところなのです。そしてサプライチェーンもインダストリー4.0を受容し、変革していかなければなりません。それがサプライチェーンマネジメント4.0(SCM4.0)です。SCM4.0を成功させるための鍵は何でしょうか?その鍵をこの特別ワークショップを通じて日本企業の中枢にいらっしゃる皆様と一緒に探索していきたいと思います。一つ覚えておいてください。SCM4.0は長い旅です。私達はそれがどこから始まるのか知っています。しかし、最終的にどのような道に辿りつくのか、まだ判っていません。

OTHER HIGHLIGHTS / その他の見どころ

日本でも外国人労働者の受け入れ拡大が政治的な話題の一つとなっています。ルクセンブルクは労働人口の7割以上が外国人で、欧州で最も外国人比率が高いにも関わらず、社会システムがこれを支えるように政策設計されています。多様な人が働きながら、高付加価値サービスを生み出し続ける秘訣は何なのか、ルクセンブルクのビジネス環境、労働慣習、人事慣行や、日本との文化の違いなどについて学び、これからのグローバル企業のあり方について議論できる機会とします。
またルクセンブルクはその充実したICTインフラ環境、国際性や多言語性を活かし、Amazonなど大手IT企業が集い、また非常にオープンなスタートアップエコシステムを形成しています。日本からも楽天を始め、bitFlyerやispaceが欧州拠点を構えています。関連機関や企業を訪問し、ルクセンブルクの産官学連携の実態やスタートアップとのオープンイノベーションの取組みについて学んでいただく機会とします。